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南朝鮮の不手際な水中発射弾道ミサイル

   【平壌9月20日発朝鮮中央通信】   

 

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張昌河国防科学院院長は20日、「南朝鮮の不手際な水中発射弾道ミサイル」と題する文を発表した。

全文は、次の通り。

私とわれわれの国防科学院は、最近、南朝鮮が騒ぎ立てる報道に留意した。

それは、南朝鮮が世界の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)保有国と肩を並べようとするというおかしくて驚くべき報道が出たからである。

報道によると、南朝鮮の国防科学研究所は去る9月15日、SLBMを3000トン級潜水艦「島山 安昌浩」号から水中試射したという。

南朝鮮当局は試射後、「北の挑発を抑止するのに十分だ」「世界で何番目にSLBM運用国になった」など、この試射の成功に大きな意味を付与して自評しながら大々的な宣伝に乗り出した。

はっきりと内心がうかがわれる。

南朝鮮は、世界的に通常「ゲーム・チェンジャー」と呼ばれる水中兵器が「北にのみあるのか、われわれにもある」と非常に自慢したかったに違いない。

南朝鮮としては、それもそのはずの事情なのであろう。

引き続き、流れ出るわれわれのミサイル開発ニュースによっていっそう大きくなる安保不安をどうしても静め、自分らが強力な先進国防技術保有国になったことを内外に知らせたかったであろう。

私は、今回、南朝鮮が公開した報道資料と試射場面を具体的に見た。

確かに、SLBMではなかった。

公開された写真通りなら、典型的な地対地戦術弾道ミサイルの構造と形態を備えており、秘密上、意図的な写真の加工処理がなかったとすれば、確かに写真の中のミサイルは水中兵器とは程遠いの、簡単に言えば自分の姿を整えていない、どこか出来損ないの兵器に見えた。

この疑問のミサイルは、南朝鮮軍がすでに保有した短距離地対地弾道ミサイル「玄武」系列のミサイルだと見られる。

ミサイルの外形は、長さ6メートル足らずで直径800ミリメートル未満と推算され、噴出火炎の大きさから見て射程500キロメートル未満の戦術弾道ミサイルに判断する。

水中から出た後の弾頭部覆いの分離方式を見ると、インドの戦術級SLBMであるK15を模倣したことが分かる。

戦術級ミサイルは、発射質量が小さいので波や海流、潜水艦の機動速度による影響をひどく受けるため、深い深度での発射には水中姿勢を維持させるべきであり、そうできない場合、水中から出る姿勢角と姿勢角速度変化がたいへん大きくなってミサイルの姿勢を維持しがたくなる。

南朝鮮が今回、実施したという試射場面を見ると、水中で能動的な姿勢維持はせず、冷発射技術だけ適用して深度が浅い状態で発射したことが分かる。

水中から出た後、ミサイルのエンジンが点火する時まで姿勢が傾かなかったし、水柱と水付着量が小さいのを見れば、発射深度が非常に浅い位置で発射したし、作戦機動中の発射ではなく、停止状態、または微速機動時に発射したことが難なく分かる。

これは、SLBMで基本である水中発射において解決すべき複雑な流体流れ解析をはじめとする核心的な水中発射技術をまだ完成していないということを示す。

一言で言って、どこか不手際な「作品」だと言うべきであろう。

狙った目的は知らなくても、とにかく私の考えでは軍事専門家の誰もが疑問視するミサイル発射場面でも急いで公開したのを見れば、南朝鮮が自前でSLBMを保有したという事実をあわただしく世界に知らせなければならなかったようだ。

実際に、水中の作戦環境で運用が可能で威力上の面から戦争状況に大きく影響を及ぼしかねないまともなSLBMを開発するには、難しい高難度の技術が必要であり、その開発過程にさまざまな経験を積むことになる。

潜水艦に搭載して発射する水中発射弾道ミサイルは、潜水艦という特殊で狭い空間で運用する兵器であることから、形態的にも構造および動作の特性、そして技術的面において地上ミサイルとは大きく異なる特殊なものであり、したがって複雑な技術を要求する文字通りハイテク兵器システムなのである。

ただ、地上ミサイルを水中を通過させて水面上に押し出した後に点火させて飛ばすからといって、自己の形態や機能を完備した水中発射弾道ミサイルと言えるのではないのである。

狭い潜水艦から発射するミサイルは、外形から地上ミサイルと全く異なり、技術的に水中作戦環境、すなわち、深い深度、それも機動中、そして相異なる海洋気象学的特性と環境を考慮すべきだというややこしい重要発射条件を全て満足させなければならない。

したがって、ミサイル制御性が最も重要である。

南朝鮮が公開したミサイル発射場面を見れば、発射体の飛行の際、制御および安定性の保障のために発射体に折りたたみ式羽根をつけたし、姿勢制御を空気舵やガス舵でするように見える。

発射体に折りたたみ式羽根を付けたということだけでも、初歩的な段階にあることが分かる。

実際に、SLBMは水中通過の際に受けるさまざまな摂動作用によって水中から出た後、30度ぐらいに姿勢が甚だしく傾いても姿勢を自ら正すことのできる姿勢制御方式を選んで強力な制御能力を実現しなければならない。

また、水中通過の際、姿勢を維持することがとても重要なので、水中発射弾道ミサイルの開発過程には飛行体の後部に格子式羽根を付ける場合もある。

われわれもやはり、このような過程を全部経た。

今、わが国家を含む世界のSLBM保有国の水中発射弾道ミサイルはほとんど、回転噴出口による推進力ベクトル制御を実現する。

今回、南朝鮮が公開して大きく宣伝したミサイルが水中発射弾道ミサイルであると見れば、初歩的な最初の歩み段階の水準にすぎないと評価する。

また、実用性の面においても多くの軍事専門家が懐疑的な視角で見るであろう。

それは、数百キロメートル程度の射程とせいぜい1~2トンの常用弾頭しか搭載できず、在来式潜水艦で運用されるということから、このミサイルは無意味な「自慢用」「自己慰安用」にしかならないからである。

最近、南朝鮮が弾頭重量を3トンに増やすという言葉もあるが、そうするとしても数十、数百キロトン級核弾頭を装着した国のSLBMとは比肩できないのである。

南朝鮮が公開した自己の技術のSLBMは、戦争で効率的な軍事的攻撃手段にはならないであろう。

今は、南朝鮮のSLBMを戦略・戦術的な価値のある兵器に、威嚇的な手段に受け止める段階ではない。

しかし、われわれは南朝鮮の水中発射弾道ミサイルの発展程度やその役目いかんから脱して南朝鮮が潜水艦兵器システムの開発に執着していることに注意を払い、その内心を注視している。

南朝鮮の意欲的な潜水艦兵器システム改善努力は確かに、より緊張する朝鮮半島の軍事的緊張を予告することになり、同時にわれわれを再自覚させ、われわれがなすべきことを明白に悟らせてくれる。

 

 
Category: 日本語 | Views: 385 | Added by: redstartvkp | Tags: SLBM, South Korea